途上国ライフ

図工と体育と、ときどき英語。元公立中学校教諭、現途上国の小学校の先生。

先生、なんで棒を持っているの?

私は日本の小学校で働いたことがありません。

だから、今小学校で働いていることは、私にとっては初めての経験です。

 

だからこそ、直面している問題がたくさんあります。

 

まず、子どもたちとの間には言語の問題があります。

私は英語が話せるけれど、小さい子どもは話せません。

小さい子どもはもちろんこちらのローカル言語が話せるけれど、私は話せません。

私と小さい子たちの間には、共通語がないのです。

だから、授業のときはいつも全力ジェスチャー。

そして大声を張り上げる。

そして、ブータン人の先生にかんたんなフレーズを教えてもらって、

それを見よう見まねで使ってみる。

・・・たまに子どもに発音を直されます。笑

 

class 2から上の学年は、ある程度英語を理解しています。

当たり前かもしれませんが、学年が上がるにつれて、英語の理解力も上がっていきます。

だから、学年が上であればあるほど、授業は問題なく進みます。

私も、とっても楽です。

 

この国ではclass PP (年長さん) から英語の授業が行われています。

PPの英語の授業は、

What is the date today?    - It's Thursday.

How do you spell it?

What is this?

My father has eight eggs.

・・・など、私が日本で中学1年生に対してやっていたような内容です。

これが、この国の英語教育。

ブータンの人は、英語がとっても堪能です。子どもも。びっくりするくらい。

英語が話せない大人もいますが、その方たちは学校に行っていなかった方のようです。

全体的に言語能力はとっても高いと思います。

この点に関しては、ふだんから考えていることがあるので、後日述べたいと思います。

 

さて、授業についてですが。

特に、class PPとclass 1 (年長さん、小学1年生) が大変で大変で・・・

本当は他の先生に手伝ってほしいけれど、

先生の数が足りていないので、みんなカツカツの時間割です。

「手伝ってほしい」とはなかなか言えません。(これも日本人特有の考えなのかもしれませんが)

毎時間、宇宙人を相手にしているような感覚に陥ります。

教室に入ったらまず座っていません。何を言っても聞かない、何をさせても途中で飽きて踊り始める。笑

担当しているのが図工や体育なので、作業や動きを伴います。

座って学ぶ教科ではない分、状況はさらに悲惨です。

基本的には、やっぱりかわいいんです、子どもたち。

ですが、たまに猛烈に腹が立ってしまうことがあります。

最近の私は、なぜか感情のコントロールが苦手です。。。

 

小学校の先生って、こんなに大変なんだ・・・!!と、身をもって学んでいます。

日本の先生方、毎日本当にお疲れ様です。

 

体育だからと外に連れ出したら、四方八方に散る。

そんな子どもたちを見て、

どうしたものかと途方に暮れ、授業をあきらめたことが何度もあります。

本当はやらなければならないのはよくわかっているのですが。。。

 

こちらに来てすぐのころ、先生たちとこんな会話をしたことがあります。

 

私「ちゃんと授業ができなくてごめんなさい」

先生「そんなこと全然問題じゃないよ、私たちにとっても、あの年齢はコントロールが難しいから」

私「え!そうなんですか、私が外国人だから言葉の壁があってうまくいかないと思っていました。どうしたら外国人の私でもうまくいくでしょうか?」

先生「棒をもちながら授業すればいいよ」

私「・・・棒?」

 

そう、棒。しかも、けっこう長くてしっかり太い棒。

そこらへんから拾ってきます。

こっちの先生は言うことをを聞かない子を叩きます。棒で。

そんなに強くではないけれど、

何か悪いことをしたり、言うことを聞かなかったりすると、

頭をコツンと叩いたり、手のひらを出させてバシッと叩いたりします。

けっこういい音が聞こえます。

 

class 5や6の子たちは、途方に暮れる私を見て

「棒もってきてあげる、叩いていいんだよ」ってアドバイスをくれます。

でも。でも。

私は日本人、郷に入っては郷に従えとはいうけれど、

こればかりはとても真似できない、真似したくもない、

そう思って、その気持ちをストレートに伝えています。

 

じゃあ他にどんな方法があるのか??・・・ないのですが笑

 

先生たちは右手にチョーク、左手に棒をもって授業をしていたり、

教室にあらかじめ棒を準備していたりします。

実際に叩くことはなくても、叩くふりをして棒を振り上げる場面はたくさん見てきました。

 

誤解のないように言っておきますが、

体罰が容認されているわけではありません。

先生たちも、子どもを叩くことはよくないと思っています。わかっています。

ですが、日本と同じで、昔は学校で悪いことをした生徒を叩くことがあったようで、

その名残が今でもあるみたいです。

 

私は、絶対に叩かない。日本人としてこれからも子どもに接していく!

毎時間が戦いだけれど、ちょっとずつ、ちょっとずつ、

何か一つできるようになれば◎です。

まず、体育では並ばせること、

図工では道具の扱いと後片付けができるようになることを

徹底的にしつけています。

 

まだまだ先が見えないけれど、ぼちぼち、がんばろーっと。

 

 

 

 最後に、この記事に直接関係はないですが、先日あった避難訓練の様子を載せます。

地震を想定して、机の下にもぐり、揺れが収まったら外の平らな場所に避難、

という流れは日本と同じです。

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ここは国土のほとんどが山なので、避難する場所はこういうところです。

避難し終わって、動きの確認をしているところ。


その他に、けっこうリアルでびっくりしたのは、

生徒の顔にペイントして、怪我をしたように装って、怪我した生徒を担架で運び、

手当てする、というところまで訓練で行われていました。

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頭に包帯を巻いている子が、負傷した子の役です。


日ごろの備えが大切なのはどの国でも同じですね。